この度、スタインウェイ・ジャパンのサポートにより、素晴らしい録音プロデューサー、スタッフの方々に恵まれ、 デビューＣＤの録音を行うことが出来ました。お世話になった関係者の方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 今回の選曲には、私の今までのヨーロッパ生活でも、多く演奏して参りました、想い入れの強い曲目を選びました。 私の大好きなモーツァルト、スカルラッティ、そして、あまり演奏される機会の少ない名曲とも言える、ロシアの作 曲家、スクリャービンの初期の作品、「24の前奏曲」を収録致しました。 スクリャービンの「24の前奏曲」は、ショパンの「24の前奏曲」からインスピレーションを得て書かれましたが、そこには既に、スクリャービン独自のハーモニー、カラーが現れており、とても色彩豊かな、魅力溢れる作品です。 皆様に、お聴き頂けましたら、大変幸せに思います。 林　直美

至 福 の 時 間

ピアノは奥が深い。ピアノは響板を備えており、デッドな空間でも良く鳴る。右ペタルを踏むと弦がダンパーから開放され、指を離しても音が保持され倍音も豊かに響く。しかし反面良く響く空間では音が飽和し、混濁しがちだ。すべてはピアニストの耳にゆだねられる。
林さんはドイツに永く住み、ヨーロッパ伝統の響きと感性を身につけていった。この録音のために、Hakuju Hallで事前にリハーサルを重ね、ホールの響きを十分に体得した上で録音に臨んだ。良い録音は、演奏者と楽器とホールが一体となってこそ可能だ。スタインウェイD-274は最良の状態に調律、調整され極上の響きがホールに充ちた。それをありのままに収録につとめた。ロビーに常備されているB&W Nortilus 801 をモニター・スピーカーとして使用させていただいた。こうして三位一体とも言える理想の録音が実現した。至福の時間だった。

『Mozart & Scriabin』　（モーツァルト＆スクリャービン）

発売元：スタインウェイ･ジャパン㈱　（SJLNH-001）

販売元：㈱キングインターナショナル
2008年5月22日リリース
定価　\2,500（税・送料込）
2007.9.11-12　Hakuju Hallにて録音
■ 収録曲
モーツァルト
ロンド ニ長調 K.485
ソナタ ニ長調 K.311
幻想曲 ニ短調 K.397
スカルラッティ
ソナタ K.380（L.23） ホ長調
ソナタ K.33（L.424） ニ長調
スクリャービン
24の前奏曲 作品11

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